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弁護士コラム・論文・エッセイ

弁護士コラム・論文・エッセイ

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弁護士 山本 昌平

2017年09月06日

新たな一歩に向けて

(丸の内中央法律事務所事務所報No.31,2017.7.1)
□ 皆様、いつも大変お世話になっております。
  冒頭でご挨拶をさせて頂きましたとおり、弊事務所は、執務スペースの拡大、人員増加をすべく、丸の内ビルディングから新国際ビルに移転致しました。15年ぶりの移転となります。
  そして、今年2017年(平成29年)は、奇しくも当方の弁護士登録から20年目の節目の年となります。
  20年目を向けることができましたのも、ひとえに皆様方のご指導・ご鞭撻の賜物でございます。
  この場をお借りして心より御礼申し上げる次第でございます。 本当にありがとうございます。

  この20年で日本を取り巻く環境や社会は大きく変化して参りました。たとえば20年前の1998年(平成10年)当時には、情報通信は電話やファクシミリが中心でしたが、今は電子メールなどが中心となっております。今や誰でも手にし、日々の生活に欠かせないスマートフォンやタブレットの登場は想像もできませんでした。このことはアメリカを代表する株価指数であるダウ・ジョーンズ工業株30種平均をみても1999年1月当時にNYダウ30構成銘柄であったイーストマン・コダックやAT&Tは、2017年1月までには構成銘柄から姿を消し、マイクロソフトやアップルといったIT関連の企業が台頭してきていることからも裏付けられます。
 そして、2017年(平成29年)の1年をみても組織運営に関する法律の世界に大きな変化がありました。公正取引に関する規制が強化され、また、改正された個人情報保護法が全面的に施行されました。さらに、120年ぶりに民法が改正され、定型定款が新たに導入されたり、時効制度も変更されるなど、実務面に大きな影響を及ぼします。また、私法の基本法である民法の改正により今後、私法関係を中心とした法律の改正も順次なされていくものと思われます。

□ このように激変する社会の中、弁護士に求められる役割や能力についても、変わりつつあると思います。以下では6点に分けて述べていきます。

 第1点目は、発生した法的紛争を適正に解決する臨床法務としての法律専門家の役割の深化です。法的紛争はますます複雑化・専門化し、適正かつ迅速に解決していくためには、法律専門家の紛争を解決する力量や経験・センスが問われてきます。
 第2点目は、法的紛争が発生しないよう、事前にいかにリスクをヘッジしていくか、そのためには、どのような手段や方法を選択すべきかといった予防法務の側面の役割がますます重視されてきており、クライアントとの事業構造を理解した的確なアドバイスをいかにできるかが問われてきます。
 第3点目は、コーポレートガバナンス、コンプライアンスという組織全体の運営の適正性・信頼性の確保等に対して法律専門家としていかに責任を果たすかという視点が極めて重要になってきている点です。
 そして第4点目、たとえばAI(人工知能)の急速な発展等社会の新たな動きに対しても敏感かつ柔軟に対応していくことへの対応力も求められております。
 さらに第5点目としては、海外対応能力があげられます。今日では規模や事業の種類にかかわらず、海外との取引なくしては事業の継続は困難です。弊事務所ではインドネシアの法律事務所と提携をしておりますが、日本の弁護士自身も海外の法制度に精通し、また海外ネットワークを広げていかなければなりません。
 最後に第6点目としては、情報通信の進化・発展に伴い、今まで以上のスピード感が求められることです。スピーディーに対応することの重要性は言うまでもないことですが、日々、進化・発展し続ける情報通信の状況を踏まえた、対応が求められます。特に事業における日々の判断には必ずタイムスケジュールがあり、そのタイムスケジュールの中で法律専門家の判断やアドバイスがどこに位置づけられるのかを把握し、タイムリーに応えていく重要性はますます高まってきており、その点でのフットワークの軽さが求められております。

□ このように今日求められる弁護士の役割を果たしていくためには、弁護士自身の一層の自己研鑽が必要であり、弊事務所内における研修体制等を充実していく予定です。 
 また、クライアントとの皆様からの一層の信頼にお応えするために、皆様の事業内容や業務内容を正確に理解する努力を怠らず、また、日常的なコミュニケーションを活発にとらせて頂き、より相談し易い体制を構築していく所存です。
今回の移転を機に、これまでの執務体制を自戒の念も込めて見つめ直し、一層、皆様のお役に立てるよう、また、社会の発展に少しでも貢献できますよう、事務所一丸となって対応して参る所存でございます。
 今後ともどうぞよろしくお願い致します。

以上

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