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弁護士コラム・論文・エッセイ

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弁護士 筑紫 勝麿(客員)

2020年07月01日

Shall we dance?

(丸の内中央法律事務所事務所報No.36, 2020.1.1)

きっかけは結婚式

 「Shall we dance?」というタイトルの映画を見た人は多いのではないでしょうか。役所広司が扮する中年のサラリーマンが、仕事帰りの電車の中から、駅前のダンス教室の窓辺に女性のダンサーが佇んでいるのを見るともなく見て、生徒募集のその教室に行き、入会してダンスを踊るようになるというストーリーです。
 私も最近、プロの先生とワルツを踊るという、これまで予想もしなかった経験をしましたが、これも全く思いがけないことから始まったことです。
 というのは、昨年11月に私の娘が結婚しましたが、結婚式のプランの段階で、娘から、「アメリカでは結婚披露宴の後半はダンスパーティになるのだけど、その冒頭に花嫁と父親が踊るのが慣習なのでよろしくお願いね。」と言われてしまいました。最初は、えっと驚きましたが、反論は許しそうもない娘の顔を見て、それでは仕方がないから少しは練習をしておこうと、友人の紹介でダンススクールに通うことになりました。
 教室でワルツの踊りの振り付けをしてもらい、お蔭さまで披露宴では何とか大役を果たすことができました。ダンスはそこで止めても良かったのですが、しかし踊っていて楽しかったのと、他のステップで踊れたらまた世界が広がるかもしれないと思って、練習をさらに続けることにしました。

昔取った杵柄

 我々の年代、昭和40年代に社会に出た人には割合にダンスをやっている人が多いと思います。というのは、学生の頃に大学の寮でダンスパーティの企画があったり、職場でダンスの講習会があったりして、ダンスというものが結構身近にあったからです。
 私もその例に漏れず、この時期にダンスの手ほどきを受けました。大蔵省の建物の3階には大きな食堂がありますが、夕方になってテーブルと椅子を片付け、職員組合の主催で何回か講習会がありました。講習会の後は、つい熱中して電車のホームでステップの練習をしたりしたものです。
 先日、地下鉄のホームでダンスのステップの練習をしている知人がいて、久しぶりに見る光景なので、おお、やっとるなと、思わず声を掛けました。その知人とは、これまでそれ程親しい関係ではなかったのですが、これを機にぐっと親しくなりました。これも広い意味でダンスのお陰と言えるでしょう。
 ただ、折角、組合仕込みのダンスが何とか様になりそうになったのですが、留学を機にダンスはおしまいになってしまいました。しかし、ドイツでも行進曲風の音楽に合わせてビアホールなどでみんな良く踊っていたので、それを習っておけばビアホール仕込みのタンツェンが出来て良かったかもしれないとちょっと残念です。

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先生のリードで一生懸命踊っています

初めてのダンスパーティ

 さて、11月にダンス教室主催のダンスパーティがあり、初心者ながら参加することにしました。アマチュアのダンサーが50人ほど、先生をパートナーとして踊ります。参加者は女性が圧倒的に多く、皆さんそれぞれ豪華な衣装に身を包み、うっとりと自己陶酔に浸っているのはまさにシャルウイダンスの世界。
 私は初参加なので、第1部1番で出場。映画ラ・ラ・ランドの主題曲に合わせてワルツを踊りました。わずか2分ほどの短い時間ですが、沢山のステップを組み合わせるので、直前練習が大変でした。また、練習の時に先生から良く注意されたのが、下を見ないで視線を上げるようにということでしたが、この簡単なことが初心者には難しいようです。どうしても足元に意識が行ってしまうのでしょうか。
 まずは無事にデビューを果たすことができましたが、後で上級者の演技を見ると、皆さん良く私の拙い踊りを見てくれたものだと赤面する思いでした。ちょうどヴァイオリンの発表会で、小学校低学年の子供が弾く「きらきら星」みたいなもので、全く御愛嬌以外の何ものでもありません。今度は良く練習して少しは様になるようにしたいと思った次第です。

ダンスを踊ると

 ダンスを踊るのに理屈は不要で、ただ踊って楽しめば良いのですが、それでも、ダンスを踊ればいろんな良い効果があるのは間違いないと思います。
 先ず、良い運動になります。 練習は大体1時間行いますが、始めのうちは結構疲れるので、途中休憩が必要でした。しかし、慣れてくるとだんだん休憩なしで踊り続けることができるようになります。それは体力がついている証でもあると思います。
 次に、ダンスは姿勢を正してくれます。私も初めのうちは先生から姿勢のことを良く注意されましたが、前屈みの姿勢では踊れませんし、また、背筋を伸ばしている方が実は踊りやすいので、自ずと良い姿勢になっていきます。良い姿勢とはおしりを少し持ち上げて、肩甲骨を下げた姿勢のようですが、普段から意識していると身体が軽くなるような気がするから不思議なものです。
 また、ダンスは頭を使います。今の動きの次にどういう動きをするか、常に先を考えていなければならないので、気を休める暇がなく脳が動き続けます。逆に、先のことを考えていなければ、次のステップに行けないので、そこでダンスが終わってしまいます。このようなエクササイズで脳が活性化することは間違いありませんし、いわゆるボケ防止になるというものです。
 さらに、言うまでもなく、ダンスは人の心と感性に働きかけます。音楽に合わせて身体を動かすのは、人間の基本的な欲求の一つと言えるでしょうから、それだけで人は満足するでしょう。

Let's dance !

さあ、皆さんも、機会があったら踊ってみませんか!

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