
2017年02月14日
(丸の内中央法律事務所報No.30, 2017.1.1)
ノルディックウォーキングという言葉を聞かれたことがありますか? 公園でポールを持ちながら歩いている人を見かけたことがありますか?
私は昨年の秋からノルディックウォーキングを始め、今その効果を実感しているところなので、今回はこの話を取り上げてみます。
ノルディックウォーキングとは、2本のポール(杖状のもの)を持って歩くことですが、歩く際に前足と後足の中間位にポールを突いて、そのまま後方に押し出して推進力とします。これによって、通常のウォーキングよりも歩幅が広くなり、歩行速度が早くなります。
ノルディックウォーキングは、クロスカントリースキーチームの夏場のトレーニングとしてフィンランドで始まりました。ノルディックウォーキングで使用するポールには下肢への負担を減らす役割もあり、北欧では老若男女誰でも親しめるスポーツレクリエーションとなって、現在では、世界40ヶ国を越える国で普及していると言われています。
ノルディックウォーキングの利点は、エクササイズの効率が非常に良いことで、一般的な歩行運動と異なり、全身の約90%の筋肉を使用する有酸素運動を、疲れをあまり感じることなく長い時間行えます。また、上半身の筋肉もより積極的に使われて、首や肩の血行も促進され鍛えることができます。普通のウォーキングよりエネルギー消費量が約20%も増加するというデータもあります。
一つには、ポールを持って後ろに軽く押しながら歩くので、胸を張って歩くようになり、姿勢が自然に良くなってきました。また二つには、ポールを両手に持っているので身体が安定し、歩幅を少し広くそして早く歩くことが出来るようになりました。これらのことは、ポールを持つことによって効果的にかつ自然にできるようになるので、道具(ポール)の力が大きいことを感じます。
私の健康法の一つは歩くことで、歩くことについては自信を持っていたのですが、家内に誘われてノルディックウォーキングのレッスンを受けて、歩きの効果が全然違うことに驚きました。極端に言えば、これまで私はただぶらぶらと、姿勢も悪く足を動かしていただけだったと思えるくらいです。
このレッスンでは、胸を張って姿勢を良くし、足をすっと前に出してそのまま後ろに蹴るところまで、広く下半身を動かしました。世田谷の砧公園を大きく一周しましたが、短い時間で歩き終え、上半身下半身をよく使ったと実感しました。その効果があまりにも大きいので、それ以来、毎朝ポールを持って散歩に出ています。
公園でのウォーキング
まず、背筋を伸ばし、少し遠くを見ながらポールを持った腕を自然に振って歩きます。ポールは前方に振り上げるのではなく、体の真横から後ろに向かって地面を押す感じで力を入れます。それ以外は強く握る必要はありませんので、腕はリラックスさせます。
腕の振りは、腰より後ろに腕がくるまで、ポールでしっかりと地面を押します。このポールの推進力で歩幅を大きくします。
姿勢良く正しく歩けるようになったら、次の段階は、三歩歩きを一つの単位として、1,2,3の三歩目の歩幅を少し大きくします。以下、同じように続けていくと、足を交互に大きく踏み出すようになって、運動がより効果的になります。
また、普段の生活の中でも、ポールを持ったつもりで意識して歩くと、姿勢と効果が維持できます。
ウォーキングの前と後にはストレッチをすることが大事ですが、この場合も、ポールを使ってストレッチの効果を上げることが出来ます。
ストレッチにはいろんなやり方がありますが、いくつか例示すると、
ポールがなくてもこのような動きをすることはできると思いますが、ポールを使うことによって、簡単にかつ効果的に行うことが出来ます。
この他、ポールを使って二人でペアを組んで行うストレッチもあるので、少しずつストレッチのメニュを増やしていくと良いと思います。
斜め前への前屈ストレッチ
ここまで私の拙文にお付き合いいただいた方、そんなに上手く行くものかと半信半疑かもしれませんね。私も始める前はそうでした。
それに加えて、歩くのにまだ杖は早いよという意識もありました。
しかし、これは杖ではありません。ノルディックウォーキングポールという運動の道具です。ゴルフで言えばクラブのようなものです。そして、この道具を使うことによって、運動効果が格段に上がります。
普段から良く歩く方には、折角の歩行の効果を一段と高めるために、ノルディックウォーキングをお勧めします。あまり歩かない方や運動不足の方には、この道具を使うことによって自然の中を楽しく歩けるようになるために、ノルディックウォーキングをお勧めします。
(了)