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弁護士コラム・論文・エッセイ

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弁護士 石黒 保雄

2015年08月01日

ライザップ体験記

(丸の内中央法律事務所報No.27, 2015.8.1)

 

□ さて、ライザップといえば、衝撃的なCMや週刊新潮における批判記事など、今や全国的な知名度を持つトレーニング施設ですが、私は、平成27年2月1日から同年5月中旬まで3か月半に亘って通いました。 

□ ライザップに通うと本当に痩せることができるのでしょうか。以下の私の体験記が、ダイエットを考えておられる皆様にとって何かのお役に立てば幸いです。

ライザップ入会の動機

□  私は、もともと太りにくい体質で、30代まではいくら食べても飲んでも体重に変化がなく、身長182㎝、体重72㎏、BMIは21.7という数値を維持していました。ところが、40代になると、だいたい1年に1キログラムのペースで体重が増加し、まもなく80キロの大台に達することが確実な状況となっていました。 

□  このような体重の増加は、もちろん加齢による代謝の低下が原因であることも事実ですが、それよりも度重なる夜の会食及びそれに伴う深酒が大きく寄与しています。試しに数えてみたところ、平成26年12月には忘年会が13回、平成27年1月には新年会が13回もありました。しかし、これ以上太りたくないから会食の数を減らすというのは面白くないので、何かいい方法はないかと考えていたところ、平成27年1月中旬頃、通勤途中の駅でライザップの広告看板を見たことを契機に、ネットで検索をしてみました。

□  すると、何と平成26年12月に、私の自宅から徒歩3分の場所にライザップの新店舗がオープンしていたことが判明し、これは何かの運命かも知れないと感じました。そして、実際にライザップを体験した人たちのブログを読み漁り、これならやってみる価値はあると判断し、ライザップの無料カウンセリングを受けて入会を決意し、平成27年2月1日から通い始めました。 

□  では、ライザップに通って何をしたかと言えば、たった2つしかありません。それは、①ライザップの店舗に毎週2回通い、担当トレーナーとマンツーマンで1回あたり50分の筋力トレーニング(これをセッションと言います)を行うことと、②ライザップの指示どおりの食事制限を実施し、その食事内容を担当トレーナーに報告することです。

ライザップの筋力トレーニング

□  筋力トレーニングは、私の場合、トレーナーの指示に基づき、バージョンA-上半身の表側(胸、腕)及び下半身の裏側(尻、太腿の裏)を鍛える筋力トレーニングと、バージョンB-上半身の裏側(背中)と下半身の表側(太腿の表)を鍛える筋力トレーニング(但し、腹筋はABいずれのバージョンにおいて行います)に分けて、バージョンAとBのセッションを交互に行っていました。

□  ライザップの筋力トレーニングの特徴は、「限界を超えるまで追い込む」ことに尽きると思います。自分1人であれば「もうダメだ」と感じても、担当トレーナーの指示には従わざるを得ませんので、それまでの自分を超える力を出し切って、その結果筋肉が破壊され回復することで筋肉が成長することになります。実際のところ、第1回目のバージョンAのトレーニング後は、5日間くらい大胸筋が焼けているような筋肉痛に襲われ、また、第1回目のバージョンBのトレーニング終了後は、脚に力が入らず、手摺りを掴まないと階段を下りることができませんでした。

□  では、1回のトレーニングで何をどのくらいやったらそんな状態になるのかというご質問については、種目は覚えていても、重さと回数は覚えていないというのが正直なところです。なぜなら、最初は覚えていてもだんだん苦しくなり、そのうち重さや回数を気にするどころではなくなってしまうからです(もちろん、担当トレーナーは細かく記録を取っていますが)。

□  中でも、最もキツかったのは、バージョンBにおけるスクワット及びスプリットスクワット(片足のスクワット)による連続下半身トレーニングで、それぞれ30回程度×3セット程度を30秒程度のインターバルで立て続けに行わされました(全て「程度」が入っているのは、そのときどきによって多少異なるためです)。これは、脚も苦しいのですが、それ以上に呼吸がとんでもなく苦しくなり、終わった瞬間に座り込んでしまうくらいのものでした。

□  但し、人間というのは何事も慣れるもので、このような厳しい筋力トレーニングでも、次第に楽しい部分もあると感じられるようになり、また、最後の1か月は負荷を重くする代わりに回数が減ったため、何とか予定どおりのセッションを完了することができました。

ライザップの食事制限

□  ライザップの食事制限は、筋力トレーニングよりも遙かに厳しいと言われていますが、事実そのとおりだと思います。担当トレーナーに聞いても、筋力トレーニングで脱落する人はいないが、食事制限で脱落する人は僅かながらいるとのことです。

□  では、何を制限しなければならないかというと、代表的なものを列挙すれば、①米、②パン、③そば、④うどん、⑤パスタ、⑥芋類、⑦果物、⑧菓子類であり、要約すれば糖質(炭水化物)を多く含むものです。また、お酒については、ビール、日本酒、ワイン、紹興酒など、糖質を含むものはNGで、焼酎とウイスキーのみ少量ならOKとされています。
これとは逆に、摂取すべきものの代表例を列挙すれば、①肉、②魚、③野菜、④豆類、⑤海草類など、タンパク質及び脂質を多く含むものです。

□ しかしながら、摂取すべきものをただ食べれば良いというわけではなく、基礎代謝を元に算出した1日あたりの摂取カロリー(私の場合は2100キロカロリー)を満たすように3食を構成しなければならないというところに、ライザップの食事制限の難しさがあります。
すなわち、ライザップが目指すのは、単なる「ダイエット」ではなく「ボディメイク」であるため、基礎代謝を下回ると脂肪と一緒に筋肉まで落ちてしまい、理想のボディ作りからかけ離れてしまいます。そこで、食事制限と並行して行う筋力トレーニングの効果として筋肉を増やすためには、タンパク質を中心に基礎代謝を上回るカロリーを摂取することが必要となるのです。

□  私は、ライザップに通い始めた2月1日から、どのような食事を摂るべきか試行錯誤を重ねましたが、糖質なしで1日あたり2100キロカロリーを摂取するというのはとても難しいことが分かりました(逆に言えば、糖質はカロリーの宝庫ということです)。そのため、朝食と昼食については基本的な食事メニューを決め、やむを得ない場合以外はそのメニューに沿った食事を続けることにしました(もちろん、間食は一切なしです)。
すなわち、朝食は、サラダチキン(ハーブ味、ゆず胡椒味、カレー味などがあります)、生野菜もしくは冷凍ブロッコリー、豆腐、納豆、お茶というメニュー、昼食は、肉もしくは魚、生野菜、ゆで卵、ヨーグルト、お茶と言うメニューにしました。
他方、夜は会食もあり、ライザップのルールを完全に遵守することは困難でしたが、お酒については焼酎とウイスキーだけを飲み、居酒屋など食事を選べる場所では糖質を含むものに手を出さないなど、できる限りの対応を試みました。

ライザップの効果

□  平成27年5月中旬、予定されていた3か月のセッションが全て終了しました。その結果は、体重が79㎏から72㎏へ、体脂肪率は19%から11%へ、ウエストは94㎝から79㎝へ、それぞれ大幅に減少しました。
□  ライザップのキャッチフレーズは、「結果にコミットする」ですが、それには科学的な裏付けがあります。すなわち、人間の体内では、糖質を摂取するとブドウ糖となり血糖値が上昇し、インスリンが分泌されます。そして、このインスリンは、血糖値を下げるために筋肉や脂肪細胞に血糖を送り込もうとしますが、一方の受け皿である筋肉には溜めることができる糖質の量に限界があるため、どうしてももう一方の受け皿である脂肪細胞に血糖が溜め込まれて、脂肪が分解されにくくなってしまうのです。
これに対し、糖質を制限すると、肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ、大量のエネルギーを消費するとともに、常に体内に蓄積された脂肪が燃焼している状態になるため、自然に脂肪が減少し体重も落ちることになるのです。
□  なお、この原稿を執筆している時点で、ライザップのセッション修了から約2か月が経過しましたが、糖質制限の食事を基本的に継続し(但し、飲酒は全て解禁しました)、毎週日曜日にフィットネスクラブで筋力トレーニングを行っているためか、いわゆるリバウンドは全くなく、体重は71㎏、体脂肪率は10%と、さらに数値が減少しています。
□  最後に、ライザップの期間中、家族のみならずたくさんの方のご協力をいただきました。この場を借りて感謝を申し上げます。

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