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弁護士コラム・論文・エッセイ

弁護士コラム・論文・エッセイ

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弁護士 石黒 保雄

2012年08月01日

私のスマホ活用法

昨年から今年にかけて、いわゆるスマートフォン(以下、最近の通称となっている「スマホ」で統一します。)が爆発的に浸透しています。ディーツーコミュニケーションズが平成24年4月に発表した調査結果によると、携帯電話ユーザーにおけるスマホの所有率は23.6%となり、1年前の調査の7.6%から何と16.0ポイントも上昇したとのことです。実際、携帯電話各社の新製品を見ても、主流は明らかにスマホであり、従来型の携帯電話が駆逐されつつあります。
かく言う私も、平成22年2月にiPhone3GSを購入し、平成23年5月にiPhone4に切り替えて現在に至っていますが、最早スマホは単なる携帯電話ではなく、仕事に欠かせないツールとなっています。

ここで、スマホを十分にご存じない方のために若干ご説明申し上げますと、スマホとは、ごく簡単に言えば「携帯電話+パソコン」です。そのため、スマホにおいては、自分好みのソフトウェア(スマホの場合、このソフトウェアを「アプリ」と言います。)をダウンロードすることにより、自分にとって使い勝手の良いマシンを構築することができます。したがって、日本国内に流通しているあらゆるスマホは、所有者の個性にしたがってそれぞれカスタマイズされているはずであり、スマホの中味を見ればその人の個性が分かると言っても過言ではありません。
そこで、以下では、私が弁護士業務においてどのようにスマホを利用しているのか、アプリを中心にご紹介したいと思います。

スケジュール管理

弁護士が仕事をする前提として何より重要なのは、スケジュール管理です。裁判や調停への出頭、お客様との打ち合わせや相手方との面談など、様々な予定を円滑にこなしていくためには、正確なスケジュール管理が欠かせません。

かかるスケジュール管理は、手帳を用いても十分に可能ですが、スマホの場合、以下のようなメリットがあります。

① 綺麗に整理されたスケジュールを見ることができること

私は、自分で書いた乱雑な文字を何度も見ることが苦手なため、スマホを導入する以前もザウルスというPDAを使用していました。また、どんな順序で入力しても時系列に沿って整理してくれるため、予定の見落としがなくなります。

② スケジュールデータのバックアップができること

iPhoneの場合、パソコンにダウンロードしたiTunesというソフトウェアを通じてデータを管理するため、iTunesの中にデータがバックアップされ、万一iPhoneを紛失しても再度スケジュールデータを呼び出すことが可能です。

③ 1年前の予定が見られ、1年後の予定も入力できること

手帳の場合、どうしても1年単位で区切りが発生してしまいますが、スマホの場合、入力済みの過去の全ての予定を見ることができ、また、1年後や10年後の予定も入力しておくことが可能です。

私は、スケジュール管理について「さいすけ」というアプリを使用していますが、入力の容易さ、スケジュールの見易さ、反応の速さなど、どれを取っても申し分なく、是非ともお勧めしたいアプリの1つです。

タスク管理

弁護士が仕事をする前提として、上記スケジュール管理と並んで重要なのは、タスク管理です。弁護士は通常、多数の仕事を抱えつつ同時進行で処理を行っていくため、余りに仕事の数が多すぎると、積み重ねられたファイルの山の下の方にある事件の処理を怠ってしまうということにもなりかねないからです。

そこで私は、「RTM」(remember the milk。「ミルクを買うことを忘れるな」という意味)というアプリを使用しています。具体的には、訴訟案件、調停案件、交渉案件、自己破産申立案件など、事件を整理し易いように項目を立て、その項目の中に個々の案件とその完了予定期日を入力すると、今後1週間、何時までに何をやらなければならないかが一目瞭然となります。のみならず、例えば労力が必要な訴訟案件の項目を参照すると、全ての訴訟案件の今後の予定を一覧として見渡すことができ、長期的な起案スケジュールを立てることができます。

タスク管理は、設定及び入力を行って軌道に乗せるまでがやや面倒ですが、その面倒を補って余りある効果をもたらすので、やるべきことがたくさんあるという方は、是非とも導入されてはいかがかと思います。なお、iPhone版RTMは、本年5月にアップデートされたver3.0において、カードを重ねたようなインターフェースに改良され、さらに見易くお洒落になったことを付言しておきます。

模範六法

弁護士と分厚い六法全書とは切っても切れない間柄ですが、スマホの中に六法全書が入ってしまう時代となりました。三省堂の「模範六法」は、私が司法試験受験生の頃から愛用している定評ある六法全書ですが、書籍に収録されている法令422個全てが「模範六法」アプリにも収録されています。

スマホ版「模範六法」においては、法令を選び条数を入力すれば、たちまち条文が現れます。書籍を取り出して紙を捲って条文を探すよりも早く条文に辿り着けるため、調べたい条数が予め特定できる場合は非常に便利です。
また、スマホ版「模範六法」の特長として、外出の際に鞄が重くならないことも挙げられます。普段から重い鞄に苦しめられている者としては、これは何にも代え難いメリットです。

乗換案内と地図

弁護士はその仕事上、事務所を離れいろいろな場所に出掛ける必要がありますが、その際、とても役に立つのが「乗換案内」アプリと「地図Yahoo!ロコ」アプリです。

「乗換案内」アプリは、主に鉄道について、出発地及び目的地を指定し、さらに出発時刻または到着時刻を指定すると、何時何分にどの電車に乗れば目的地に予定どおり到着できるかが分かります。そのため、時間のロスを極力回避することができ、時間を有効に使うことができます。

他方、「地図Yahoo!ロコ」アプリは、GPS機能により現在位置が把握され、それが表示された地図に落とし込まれるため、初めて訪れた場所などで目的地への道が分からなくとも、無事に目的地に辿り着くことができます。

食べログ

私は、出張の際、できるだけ出張先で美味しいものを食べたいと考えている食いしん坊ですが、そのようなときに役立つのが「食べログ」アプリです。

「食べログ」アプリでは、エリアと料理ジャンルを指定するといろいろなお店が紹介されますが、他のグルメアプリと異なる特長は、実際に利用した方の口コミコメントが充実している点です。この「食べログ」については、平成24年1月に一部の飲食店が自らの評価を上げるためにやらせの投稿を行っていた事実が判明し問題となりましたが、薄っぺらい内容の投稿は無視し、具体的で信憑性のある投稿を吟味して判断すれば、かなりの確率で良いお店に出会えると思います。

まとめ

スマホの優れた点は、手のひらサイズ以下であるため年中持ち運ぶことが可能なことと、携帯電話と一体化しているため常時インターネットに接続することが可能なことです。これにより、いつでもどこでも簡単に使用することができるため、私にとって仕事上欠かせないツールとなりました。

なお、スマホは、仕事のみならず趣味にも活用できます。ゴルフを例に挙げるならば、カメラでスイングを撮影して分析したり、ラウンド中にGPS機能を用いてピンまでの距離を測定したり、スコアカードとして利用したりできます(しかも、スコアカードを勝手に集計して、平均スコアやパーオン率など、あまり見たくない様々なデータまで提供してくれます)。

この拙文を読んでいただいた皆様が、多少なりともスマホに興味を持っていただければ大変嬉しく存じます。

以  上

(平成24年8月1日)

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