1.はじめに
略歴や弁護士の志望動機については、弊所ホームページにも記載しておりますことから、本誌では職務経験・弊事務所入所の経緯・業務に対する姿勢・趣味について自己紹介を申し上げます。
2.職務経験
まず私の職務経験について申し上げます。
私は、司法試験合格後、1年間の司法修習を経て、平成24(2012)年12月から、故宮下啓子弁護士が代表を務める都内法律事務所で勤務を開始しました。
同事務所に入所した理由は、弁護士であった父が、早稲田大学江沢民講演会事件で大学側代理人として宮下弁護士と共闘したご縁によります(同訴訟は著名事件ですので、ご存じの方もいらっしゃることと存じます。)。
宮下弁護士は、強烈なキャラクターと優秀な能力を持っており、ご依頼者様の話は親身に聞く一方で、交渉・訴訟対応には得も言われぬ凄みを有しておりました。また、常に創意工夫を怠らず、どの事件についても熱意を持って取り組んでおりました。このような事件処理や仕事に対する姿勢については非常に勉強になるものがありました。
前事務所の特徴として、訴訟・交渉に強みを有していまして、勝ち筋の事件については負けないように細心の注意を払って主張立証を展開し、反対に、不利な事件であっても何か活路を見出せないかを必死に考え、時には盤面を混ぜ返す一手を打つことで和解に持ち込むことなど、極めて多様な交渉方法を学びました。
取扱分野としては、不動産関係(売買・賃貸借)、相続全般、労働関係、知的財産関係(意匠・不正競争防止法)、システム開発関係、コーポレートガバナンス関係(株主総会指導・取締役会指導)等であり、渉外・国際案件を除き、一通りの業務を経験して参りました。
3.弊事務所入所の経緯
弊事務所の入所経緯は、山本弁護士の上記紹介にもありますように、弁護士会の活動を通じて、弊所・山本昌平弁護士と知り合ったことにあります。
山本弁護士は、人間的に懐が深くて頼りがいがあり、他人に対する気配りを惜しまず、思考・発想がポジティブであって周囲の人間に元気を与える人格者であるばかりか、仕事が非常に早く、必要であれば長時間労働を厭わない姿勢であったことから、非常に尊敬できる弁護士でした。
弊所に入所した現在となっては手前味噌となってしまいますが、このような山本弁護士の素晴らしい人柄と仕事に対する取り組み方に加えて、山本弁護士以外にも能力・経歴ともに素晴らしい弁護士が多数在籍していることや、弊所の歴史・伝統・立地・執務環境等に鑑みて、弊所であれば、ご依頼者様により良いリーガルサービスが提供できると考えて、弊所への加入を決めました。
実際、弊所入所以降、特に山本弁護士をはじめとする各弁護士は、紛争を抱えるご依頼者様を安心させる接し方、事件を解決するための大局観や豊富な経験値から導かれる細やかなリスクヘッジなど、優れたスキルを多数有しており、日々非常に多くを学べておりますので、私としてもご依頼への対応や解決に活かして参りたく存じます。
4.業務に対する姿勢
弁護士業務には、将来のリスク回避に関する業務と、過去に生じた紛争解決に向けた業務がありますところ、私の業務に対する姿勢や取り組み方について申し上げます。
(1) リスク回避業務
リスク回避業務では、弁護士である以上、法的問題を指摘することは当然ですが、ビジネスでは法的問題以外のリスク(費用、労力、イメージ、モラル等に関するリスク)も幅広く存在します。
弁護士として様々なトラブルに対応する中で、法的問題以外のリスクに関する知識や経験も蓄積されておりますので、私がリスク回避業務に携わった際には、法的問題以外のリスクについても幅広く指摘するようにしています。
私は、ご依頼者様のリスクマネジメントを行うことで安全にビジネスを展開して頂くことが肝要である、と考えておりますので、単に第三者的な意見を申し上げるのではなく、ビジネスの成功・存続のために回避しなければならないリスクを可能な限りお伝えしたいと考えております(ただし、経営方針や経営判断にご意見を申し上げることは基本的には致しません。)。
また、ご依頼者様にアドバイスを申し上げる際には、単にリスクの指摘だけを行い、「危ないので止めるように」と申し上げるのは簡単ですが、私としては、リスクを指摘する際には、可能な限りリスクの軽減方法や代替手段も併せてご提案しております。
このようになるべくご依頼者様の目的達成とリスク回避を同時に達成できるような対応を常に考えて対応しております。ただし、どうしてもリスク回避が難しい場合には、リスク回避手段がない旨を明確に伝えることで、ご依頼者様が早期に方針転換できるようにしております。
(2) 紛争解決業務
紛争解決業務については、理不尽・不誠実な相手方には一歩も引かずに徹底的に戦う心構えで臨んでおります。具体的には、相手方にペースを握られないように私の方で交渉の流れを作り上げていくと共に、相手方が矛盾・不合理な主張をした時には、機を逃さずに論破して押し返し、有利に交渉を進められるように心掛けております。
他方で、行き違いやボタンの掛け違いで紛争になってしまったものの、取引先・顧客等のように紛争解決後も関係が継続する可能性がある相手方には、双方の主張・利益をうまく調整することで紛争解決後にご依頼者様と相手方との間で信頼関係が再構築できるよう常に心掛けて業務を行っております。具体的には、相手方の発言になるべく耳を傾けると共に粘り強く対応し、ご依頼者様の立場についても懇切丁寧にご説明を申し上げ、早期に対立関係をほぐせるように対応しております。
このように、ご依頼者様と相手方との関係性や、相手方の主張内容・性格等をみて、剛柔を使い分けて交渉をするように心掛けております。
また、訴訟を含めた法的手続を行うと時間・労力・費用等の様々な面でコストを要しますので、相手方の要求を頑なに拒否することでご依頼者様が不利益を被ることもございます。反対に、法的手続を回避しようとし過ぎて相手方の要求に屈したのでは、ご依頼者様の不利益になる場面も多くあります。
このように利益衡量が困難な案件が多いので、ご依頼を承る際には、ご依頼後の展開とそれに伴う利益・不利益をご説明し、ご依頼者様の選択肢が明快になるように努めております。
複雑困難な案件でも、ご依頼者様の利益確保や権利擁護を達成するために不撓不屈の精神で立ち向かう所存ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。
5.趣味
これまでは業務についてお話をさせて頂きましたが、最後に私の趣味についてお話したいと思います。私の趣味は、剣道・スノーボード・麻雀・フットサル・読書・映画・ファッションです。
⑴ 剣道
剣道は成蹊中学校の剣道部に入部して以来25年以上続けております。
高校時代は主将を務め、試合・大会に勝つことを第一目標として厳しく稽古をして参りました。
中央大学では、高校時代で剣道に燃え尽きたことや色々な体験をしたいとの考えから、体育会剣道部には入部せずに剣道サークルに入会しました。
しかし、体育会が強い大学ではサークルも強いようで、全国大会や関東大会に出場した人間が多数入会していたことには衝撃を受けました。
弁護士となった後も、裁判所や弁護士会の剣友会で汗を流すことも多かったのですが、現在は新型コロナウイルスの影響で思うように稽古ができておりませんので、気兼ねなく稽古ができる日が来ることを待ち遠しく思っております。
右が筆者。垂れに見える「東三弁」とは、
「東京三弁護士会剣友会」の略である。
⑵ スノーボード
私の両親の趣味はスキーであり、幼少の頃から方々の雪山に連れていかれましたが、私は中学生以降ずっとスノーボードをしております。
社会人になった後で、JSBA(日本スノーボード協会)のインストラクター資格に必要な実技試験に合格しましたので、後は救命方法や指導方法の講習さえ受ければインストラクターになることができましたが、多忙で講習を受けないでいる間に実技試験の合格が失効しました。
最近はバックカントリーに興味を持っています。スノーボードをかついで未整備の雪山を登り、途中でインスタントのコーヒーやラーメンに舌鼓を打ちつつ、最後は麓を目指して一気に滑り降りるのですが、雪崩に遭遇する危険があると聞いており、なかなか挑戦できずにおります。
⑶ 麻雀
麻雀は、大学時代から始めてすぐにのめり込み、ひと頃はかなり雀荘に通っておりました。
麻雀は、ゲームそのものも面白いですが、戦い方にその人の特徴が出るので友人・知人と卓を囲むことは格別に面白いと思います。いつでも強気なタイプ、すぐに熱くなるタイプ、勝負に出ないといけない場面でも逃げてしまうタイプなど様々ですが、一番強いのは、いつでも冷静沈着なタイプだと思います。
いつでも強気に攻勢を仕掛ける人間は見栄えは良いですが、冷静さを失って無鉄砲になってしまうと勝負には勝てませんし、反対に、勝負に出なければならない場面でも弱気になって防御に回ったら、やはり勝負には勝てません。
これは仕事の世界でも同じことのように思います。私は、業務中に感情的になりそうな時には冷静さを失ったら負けだ、と言い聞かせて、常に冷静沈着に業務を遂行できるように心がけています。
⑷ フットサル
フットサルは、弁護士仲間と共に平日の夜に行うことが多く、たまに大会も出ていますが、年を重ねるにつれて走れなくなっていく自分を見て悲しい気持ちを感じております。
主に大崎駅直結のフットサル場で蹴ることが多いのですが、普段コンクリートジャングルで生活している者にとって開かれた空間で走り回るのはとても気持ちが良く、また、フットサルは初心者でもゴールを決めやすいことから、楽しんでプレーをしています。
⑸ 読書・映画・ファッション
読書に関しては、犯人や結末が分かった時の快感が好きでミステリー小説を読むことが多いですが、どんなジャンルの作品でも読みます。好きな作家は、重松清、恩田陸、伊坂幸太郎です。また、最近は業務中にひたすら活字を読んでいるせいか、業務外の時間ではマンガを読むことの方が多くなっており、電子書籍の所蔵量は4000冊を超えました。
映画を見ることも好きで、以前は洋画を中心に幅広いジャンルの映画を見ておりましたが、子供が生まれてからはなかなか映画を見ることができないのが悩みです。
その他、休日はファッション関係の買物をすることが多く、好きなブランドはCOMME des GARÇONS・Maison Margiela・Sacai等ですので、休日に私に会っても誰だかわからないと思います(笑)。
以上