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ホーム企業の皆様へ株主総会関連判例株主総会及び招集手続における手続的な問題が争われた事例(24件)一覧 > 招集通知に提案者のメールアドレス等を伏せて記載したことが株主提案権の侵害に当たらないとした事例(東京地判令2・11・11 金融・商事判例№1613・48)
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招集通知に提案者のメールアドレス等を伏せて記載したことが株主提案権の侵害に当たらないとした事例(東京地判令2・11・11 金融・商事判例№1613・48)

2023.10.17

(R4-⑴)

① 事案の概要

 Yの株主であるXは、自らをYの内部通報窓口担当者とする旨を定款に記載することについて株主提案を行ったところ(以下「本件株主提案」という)、Yは、株主総会の招集通知に、Xの株主提案のうち、同人のメールアドレスとFAX番号の一部を伏せて記載した。
 Xは、Yの行為が株主提案権の侵害に当たるとして、不法行為に基づき、Yに対して損害賠償を求めて提訴した。

② 判決要旨

 前提事実によれば、本件株主提案は、内部通報窓口の設置を定款に記載することを内容としているところ、本件記載において、本件メールアドレス等の一部は伏せられているものの、Xの氏名は明示されている。そして、会社法305条によれば、株主は、取締役に対し、議案の要領を株主に通知することを請求することができるにとどまるところ(会社法305条)、「議案の要領」とは、株主総会の議題に関し、当該株主が提案する解決案の基本的内容について、会社及び一般株主が理解できる程度の記載をいうものと解するのが相当であること、証拠(中略)によれば、本件招集通知には、Xが通知した提案理由も併せて記載されていることが認められること、本件招集通知を受けた株主としては、本件記載により、本件株主提案が、内部通報窓口を設置する旨定款に記載すること、その担当者となるべき人物がXであること、及び連絡方法が電子メール又はファックスであることについて認識し、本件株主提案について検討することが十分にできると評価できること、本件株主提案に係る議案が可決した場合には、伏せられていない本件メールアドレス等が定款に記載されることからすれば、本件記載は、Xの株主提案権を侵害したものとはいえない。

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