


2026.06.19
月極・時間貸しにかかわらず、駐車場経営で最も厄介なのが「放置自動車」です。料金を支払わずに長期間置かれると、その区画は収益を生まないばかりか、利用者からのクレームや風評被害につながります。
「勝手に処分すればよいのでは?」と考える方も少なくありませんが、法的機関を通さない処置は「自力救済」として禁止されています。所有権はあくまで利用者(または所有者)にあり、無断で撤去すれば不法行為として損害賠償責任を負うリスクがあります。ここでは、放置自動車への正しい対応を、手順ごとに整理します。
実際、駐車場経営者が独自にレッカー移動した結果、車両所有者から「不法行為」として訴えられ、数十万円以上の損害賠償を命じられた例もあります。
方法
実務上の注意
所有者が撤去に応じない場合は、裁判を通じて「明渡し請求」を行います。
流れ
所要期間
通常は数か月〜半年程度。放置車両による収益減を考えると長く感じますが、合法的に解決する唯一の道です。
参考裁判例
放置自動車の所有名義が所有権留保によってディーラー等となっている場合、名義人(留保所有権者)は直ちに放置自動車の撤去義務や不法行為責任を負わず、当該自動車に関するローン等について期限の利益が失われ、その残債務全額の弁済期を経過した後に撤去義務や不法行為責任を負うと判断した判例があります(最判平成21年3月10日民集63巻3号385号)。ローンやリースにより購入されている自動車かどうか、調査した上で対応する必要があるといえるでしょう。
判決を得ても所有者が応じない場合、裁判所を通じて強制執行に移行します。
実務上のポイント
実務的には「1台の放置車両を巡って何年も紛争になる」ケースもあるため、早期の専門家関与が経営の安定につながります。
放置自動車は、駐車場経営にとって避けて通れない問題です。
この正しい手順を踏むことで、経営者側が違法性を問われるリスクを回避しつつ、安全にトラブルを解決できます。
「時間はかかるが、合法的に」――これが放置車両問題への唯一の解決策です。