


2026.06.19
このような慣習の中で、お客様はいつまでキャンセルができるのか、反対に、販売会社様は生産の遅れによって予定通り納品出来ない場合に何らかの責任を負う必要があるのか、等の様々な問題が生じます。
⑵ また、お客様の中には、現金一括で購入される方もいらっしゃいますが、ほとんどのお客様は、割賦でご購入されます。その場合、自動車の登録名義は、使用者はお客様であり、所有者は販売会社様(信販会社様)となり、お客様と販売会社様の双方が自動車の登録情報に記載されます(実務では「所有権留保」といいます。)。
これによって、お客様が駐車場に自動車を放置された時に、お客様と販売会社様のどちらが自動車の撤去義務を負うのか、所有権留保車が事故に遭った際に損害賠償請求権を有するのはどちらか、等の
⑴ 民法
民法は、どの業界でも問題になりますが、自動車では、精密機械であり、高い機能性が求められることから、契約不適合責任がよく問題となります。
その他、契約者や納品先の確認が曖昧な場合に、代理権や弁済の問題も生じます。
⑵ 消費者契約法
次のような方法によって商品を購入させた場合には、消費者契約法に基づき、売買契約が取消しの対象となる可能性があります。
・重要事項について事実と異なる事項を告げた(不実の告知)。
・将来において変動が不確実な事項について確実であると告げた(断定的判断の提供)。
・重要事項について不利益となる事実を故意又は重過失に寄って告げなかった(不利益事実の不告知)。
また、店舗内での販売の場合、いわゆるクーリングオフ制度の適用はありませんが、外商が顧客の自宅を訪問して商品を販売した場合、一定の条件の下に、クーリングオフが適用される可能性があります。
⑶ 景品表示法
陳列、あるいは販売員のセールストーク等において、不適切な表示を行うことは、景品表示法によって禁じられています。
・品質や規格等について、実際のものや事実に相違して競争事業者のものより著しく優良であると一般消費者に誤認される表示(優良誤認表示)
・価格等の取引条件について、実際のものや事実に相違して競争事業者のものより著しく有利であると一般消費者に誤認される表示(有利誤認表示)
・その他一般消費者に誤認されるおそれがあるものとして総理大臣に指定された表示
また、商品販売のために、ある種のキャンペーンを実施することもあるでしょう。こうした場合、顧客を誘引する手段として、取引に付随して提供される経済上の利益を景品類と呼びます。景品表示法は、こうした場合を一般懸賞と共同懸賞に分類した上で、それぞれ上限を設けるなどして、過度の経済的利益を提供することを禁じています。
⑷ カスタマーハラスメント防止法
顧客から従業委員が受けるハラスメント、いわゆるカスタマーハラスメントについても、重大な問題になり得えます。こうしたことから、近時、カスタマーハラスメント防止法が成立し、2026年10月までに施工される予定です。事業者としては、同法に定めるカスタマーハラスメントの定義を正確に理解し、事業者に義務付けられる各種の措置を講ずることが必要となります。
従業員の就業に関して労働法やハラスメント防止に関する法規を遵守すべきことは当然ですが、自動車販売会社においては、各テナントが独自に雇用する従業員も多数存在するため、関係性が複雑になりがちです。自動車販売会社の運営者や、出店しようとする外部業者としては、こうした関係性を理解し、必要な措置を講ずることが重要となります。
⑵ 割賦販売法
自動車は、割賦販売が多く、信販会社との関係も問題となることが多々あります。
⑶ 所有権留保関連
前述のように、所有権留保との関係から、第三者である駐車場の所有者、お客様が破産した場合の破産管財人、交通事故の場合の加害者・保険会社など、所有権留保に関連して、第三者との間で問題となることが多々あります。
このように、自動車販売会社は、その規模やステークホルダーの多様性ゆえに、その運営に際して種々の法的規制に服します。これらに違反した場合、各種法規に基づき、民事上(損害賠償請求、契約の取消し)、刑事上(罰則)、行政上(行政指導、行政処分等)の責任を問われることになります。こうした事態は、企業にとって経済的損失を生じさせるにとどまらず、風評被害や不買運動に繋がるリスクも孕んでいます。このようなことを避けるために、法務部門の設置及び強化は不可欠であるといえます。
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